「どう思う?」

「えっ…あ、いいと思います」


ちゃんと答えなきゃいけないのに、声が少し上ずる。

先生はふっと小さく笑った。

「緊張してる?」

「…してません!」

言った後で余計に恥ずかしくなる。
まるで、そうですって言ってるみたいで。


先生はそれ以上は何も言わず、別のクラスの実行委員の所へ説明に行った。

私だけこんなにドキドキしてるのに。

先生はズルい。

実行委員内での担当分けもトントン拍子に決定し、今日は解散となった。

皆続々と帰り始める。


「…綾瀬、ちょっといいか?」

呼び止められて、振り返った。

「この資料、1年生各クラスに配って欲しい」

「分かりました」


受け取る時、一瞬だけ指が触れた。

たったそれだけなのに、心臓が大きく跳ねる。
触れた指から、ジワジワと身体全体を焦がしてしまいそうな熱が広がった。

「頼んだ」

いつも通りの声。
でも、なんでだろう。
それだけなのに、特別に感じてしまった。


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