パフェの魔法:それは、あなたが望んだ物語

 パフェは兵士団長の案内に従い、城下の街へと足を踏み入れました。

 かつて活気に溢れていたであろう市場には、わずかばかりの痩せた野菜が並ぶだけ。

 争いの痕跡はあちこちに生々しく残り、畑仕事に出る気力すら失った人々が、軒先で力なく項垂(うなだ)れています。

(街全体が、負の空気に飲み込まれているわ……)

 パフェが足元を見れば、土はひび割れて乾き、しぶといはずの雑草ですら茶色く枯れ果てていました。

 絶望に染まった街の中で、兵士団長と共に歩くパフェの鮮やかなドレスは、嫌でも人々の目を引きます。

 パフェはそんな視線を気にする様子もなく、荷物をまとめようとしていた恰幅(かっぷく)の良い婦人に歩み寄りました。

「グーテン・ターク(こんにちは)。少しお伺いしてもよろしいかしら?」

 婦人は手を止め、パフェの姿をいぶかしげに見つめました。