パフェの魔法:それは、あなたが望んだ物語

 まだ呆然としている他の住民たちにも声をかけるため、軽やかな足取りで去っていくパフェの背中を、婦人は呆れたような、どこか不安そうな目で見送りました。

「あの魔法使い、本当に頭は大丈夫なのかい? さっきから変な言葉ばかり話してさ」

 その呟きを聞き、兵士団長も複雑な表情でパフェの背中を見つめました。

「先ほどの言葉は、確か遠い東洋の国の挨拶……。あの方は時折、そうやって各国の言葉を口にされる。まるで、この街の壁を壊そうとしているかのように」

 婦人は鼻で笑い、大きなため息をつきました。

「壁を壊す? 冗談じゃない。世界中の言葉が話せたところで、押し寄せてくる敵の兵隊が止まるわけでもあるまいに」

 やがて夕闇が街を包み込み、広場には物珍しげに人々が集まり始めました。
 けれど、その顔には生気はなく、誰もがお祭りを楽しむような気分ではありません。

 近くの特等席では、城からやってきた王と妃、そして兵士たちが、その光景を不安げに見つめていました。

「本当に、こんなことで民の心に火が灯るのだろうか……」

 王の呟きは、祭りを待つ静寂の中に空白を残します。