パフェの魔法:それは、あなたが望んだ物語

 しかし、パフェは婦人の怒りなど柳に風と受け流しました。
 それどころか、気落ちする様子も全くなく、どこまでも清々しい笑顔で答えます。

「チャオ(こんにちは)!  婦人、あなたにお願いがあるのです。この街で、楽器を奏でられる方をご存じではありませんか?」

 あまりの勢いに、婦人は思わずたじろぎました。
 パフェの瞳があまりに真っ直ぐで、毒気を抜かれたように言葉を返します。

「……奏でられる奴だって? 居るには居るだろうが、アンタ。この非常時に楽器がどこにあるかも、手入れされてるかもわかりゃしないよ。そんな連中をかき集めて、一体何をしようってんだい」

「ダンスには、心躍る音楽が必要でしょう?」

 パフェはそう言って、隣に控える兵士団長を振り返りました。

「兵士団長、お願いがあります。楽器を扱える方々を探し出し、必要な楽器をすべて揃えていただけますか?」

「はっ、畏まりました! 王様からも『パフェ殿に全面協力せよ』との厳命を賜っております。何としてでも準備させましょう!」

 兵士団長の力強い返事に、パフェは満足そうに頷きました。

「そう。メルシー(ありがとう)。助かりますわ」