パフェの魔法:それは、あなたが望んだ物語

 その問いに、ジルバの顔が醜く歪みました。

「そりゃあ決まっているさ。私はね、幸せそうな綺麗な娘が大嫌いなんだよ! ……見てごらん、今のこの忌々しい姿を。昔は私だって、数えきれないほどの男たちに傅(かしず)かれたもんさ。それが今じゃどうだい? 私の姿を見た者は、誰もが恐怖で震え上がるばかりさ!」

 ジルバの叫びとともに、周囲の空気がどろりと重く濁り始めました。
 彼女の失った美貌への執着が、呪いとなって夜の静寂を侵食していきます。

 二人の心から希望の光が消えかけると、呼応するようにパフェの魔法も陰りを見せ始めました。

 空を覆う厚い雲が月を隠し、銀色の輝きが失われると、美しいヴィオラ姫の姿は再び、小さく頼りないアヒルへと戻ってしまいます。

 その無惨な光景を、ジルバは引き裂くような高笑いで見下しました。

「ヒィヒィヒィ! 何をやったって無駄なことさ。この争いは、すでに強固な魔法で契約されちまったんだからね。明後日には、嫌でも大勢の兵士たちが東の国へとなだれ込むだろうよ」

 ジルバは勝ち誇った顔で、アヒルを抱きしめるシエン王子を指差します。