花火から、1ヶ月後。
俺がこの世界に来てから、約2ヶ月が経とうとしていた。
そんな最中…俺は、放課後の教室へと足を運んでいた。
樹たちはきっと寮に居るだろうし、俺は用事で出かけるってことにしといたから誰も来ない。
もう、見慣れてしまった教室。
俺にとってここはもう大切で、離れたくないけれど…
「…あった、鏡」
俺はスタスタと鏡の前へと歩いていく。
…俺がこの世界に来るきっかけとなった、この鏡。
何度も全員で試行錯誤し、いろんなことを挑戦したけど…帰ることはできなかった。
でもそれで良かったし、帰る方法なんてなくていいと思ってた。
…でも。
「…叔母さん、元気してっかなぁ」
ぽつりと零れた、1粒の言葉。
両親が死んでから、俺のことを本当の親のように育ててくれた叔母。
俺が不良になってから迷惑を沢山かけた。
それなのに嫌な顔ひとつせず「龍くんが好きにしな」と言ってくれた。
あっちの世界で唯一大切である叔母を、残してきた。
それに罪悪感をつのらせるようになった。
「…1度だけでも、帰りたい」
だから…そう思うようになったんだ。
