談笑しながら寮に帰っていると、視界の端に映った校庭に教師が居た。
「おぉ、お前ら!ちょうど良かった…!!」
教師が俺と同タイミングくらいで、こちらに気づいた。
爆速で駆け寄ってきた教師の手には…1つ、何かが握られている。
「ん?先生、これなんですか〜?」
樹が不思議そうにソレを覗き込むと、教師はニヤリと不敵な笑みを見せた。
「これはな、打ち上げ花火だ!
知り合いから1つだけ貰ってな…花火大会も中止だったろう?特別に校庭でやることを許可する!」
じゃじゃんっ!と、効果音が付きそうなくらいにビシッと打ち上げ花火を突き出してくる。
…たしかに、花火を見れるチャンスか。
「えー先生神じゃんっ!これであたしが大活躍できる〜!!」
1番初めに興味を惹かれたのは、夏那恵だった。
目を輝かせて打ち上げ花火を見ている。
______『あ、あたしが…とびっきりいい花火を見せるから!目に焼き付けてよ!!』
そーいや、興奮したようにそんなことを言ってたっけ。
花火が中止になって、自分の能力を発揮できないままで悔しかっただろうし…いい機会だなと俺も思った。
…なんか親目線みたいになってるけど。
「わ、私も花火見たいっ!」
「俺も〜!!楽しそうっ!!」
「…はぁ、仕方ないな」
「1年ぶりの花火だぁ〜っ!」
真白たちも乗り気で、次々にそう言った。
俺?俺は…言わなくてもわかるだろ。
________すげー、楽しみ。
「よし分かった!じゃあまず着替えてこい、風邪をひくといけないからな!」
「俺が準備をしておく!」と、教師は張り切ったように言った。
そして言われるがまま、俺らは1度寮へと戻った。
