ひらけ、ムコウ側の世界!




「じゃあ、かき氷食って帰ろうぜ〜!」


と、いつの間にか陽介は手にかき氷を持っていた。
そしてそれをパクリと口に入れて「うまっ!」と声をあげている。


「ちょっと静!あたしの分もあるよね!?」

「…うるさい」


静はうんざりとした表情をしてるけど、真白がふふっと小さく笑みを作った。


「全員分あるよ。せいくんが作ってくれたんだって」

「…おれは手伝いしただけ」


静が顔を逸らしてそう言ったけど、どうやら照れ隠し。


「ありがと、静」

「…ん、まぁ差し入れってことで」


俺は、真白が能力で運んでくれたかき氷を手に取って食い始める。


「うわ、すげーうまい。てかブルーハワイ選んだの、センスありすぎだろ!」

「え!龍くんブルーハワイ派なの?僕はいちご〜!」


スプーンでかき氷を口に運びながら、樹がそう言った。


「いや、そこはメロンだろ!」

「んーん!絶対にレモンだって!」


陽介と夏那恵も張り合ってきた。
よしこれは、ブルーハワイを布教するチャンスでは…!?


「ど、どの味も美味しいよね…!」


平和主義の真白が、苦笑いを浮かべていた。
まぁ全部美味いのには変わりねぇけど…でもブルーハワイが1番!


「あ、静くんはなに〜?」

「…コーラ」

「コーラ?今コーラって言った!?」

「龍我、うるさい」


薄暗い帰り道は、俺らの賑やかな声で彩られた。


「てか、びしょ濡れの中かき氷なんて食ったら…風邪ひくくね?」


その後、半分以上が風邪をひいたのは…次の日のこと。