ひらけ、ムコウ側の世界!



「ちょっとそこ!何してる!?」


遠くから、とがめるような声が飛んできた。
全員で振り返ると…そこには、景観らしきヤツが居た。


「あ、警官…えと、コイツらが襲ってきて」

「それは本当か!?…き、気絶してるようだが」

「ふふ。僕がすこーし能力使ったら、すぐ倒れちゃって〜!」


樹が笑顔を浮かべる。
…今はその笑顔がすげー怖いけどな。

ただ警官も納得した様子で「そうか…」と言った。


「わかった、署に連行する。君たちはもう帰るように」

「え?祭りは……」

「祭り?そんなもの、さっきの雷雨で中止だよ」


警官の言葉に唖然とする。
そ、そりゃあそうか…一瞬だとしても、あんな激しい雨と落雷があったら中止か。


「こちら丘付近、不審者が_______」


警官がトランシーバーのようなものを片手に、その場から離れていった。


「えー、なんで警察に真実話すのさ!俺、コイツら燃やしたかった〜!」


陽介が拗ねたようにそう言った。
めっちゃ言ってること物騒だけどな。


「あーあ、残念」

「……そうだねぇ」


女子の2人も、うんうんと縦に首を振っている。
だからこそ同情しなくていいって…


「ご、ご……っ」


呆れ顔を浮かべていたら、樹が唇を震わせて何かを言っているのに気がついた。


「樹、どうした?」

「ご……っ!」


ご…?
はっ、まさか俺がさっき馬鹿力で蹴り飛ばしたから…ゴリラだと思われてる!?

嫌なんだけど!!


「ちょ樹っ…」

「ごめんね、ほんっとうにごめん!!!」


俺が慌ててさっきのことを弁明しようとしたら…樹が大きな声で謝って頭を下げた。

俺らがきょとんとした顔で樹を見ると、樹は早口でこう言った。


「僕のせいで、花火大会は中止になっちゃうし…っ。本当にごめんなさい!!」


張り裂けそうなくらいの声で、樹は悲痛な叫びを漏らした。

…なーんだ、もっと重要なことだと思ったや。
まぁゴリラは全然重要じゃねぇけどさ。