ひらけ、ムコウ側の世界!



「樹、龍我っ!!大丈夫か!?」


後ろから、声が聞こえてきた。
樹と俺で振り返ると、そこから陽介と静が走ってきていた。

そのもう少し後ろからは、夏那恵と真白も走ってきている。


「ちょっと2人とも!何があったのよ!?」

「なんで4人とも……」

「なんでって…!急に雷が落ちたから、いつきくんが能力使うくらいの何かがあったのかなって!」


はぁはぁ、と疲れたように息を荒らげる4人。
雨はもう止んだけど、陽介たちもびしょ濡れになっていた。


「そうそうっ!龍くんを捕まえよう〜!っていう馬鹿みたいな(やから)が来たんだよっ!」


伸びやかな声色で樹が説明する。
…まぁめっちゃ口悪いけどな。

軽く言った樹だけど、事情を知らなかった4人はすぐさま反応した。


「はぁ!?んだよソイツ!!」

「どんな見た目!髪型!声質!?」

「…許せないね」


陽介はとにかく怒り狂ってて

夏那恵はすげー犯人の特徴問い詰めてきて

真白は静かな怒りに燃えてる。


……怖いな、普通に。


「…それってコイツら2人?」


すると、横から声が聞こえてきてハッとする。
気づけば静は、水たまりを凍らせて鋭いツララみたいにしてカードオタクに……


「ちょ、ちょ待てって!」


慌てて静とカードオタクの間に入る。
そんな行動をとったら、当然ビックリされるわけで。


「…龍我、どいて」

「別に痛めつけるのはしなくていーだろ」


俺がそう言うと『なんで?』と言わんばかりの瞳で見つめられた。

なんでって、そりゃあ……


「でも静に珍しくどうかーん!」

「…は?」


夏那恵が同情してきたので、俺は声を漏らす。
そこから陽介の方を見た。


「陽介ー!虫眼鏡と黒い紙、持ってない〜?」

「お!ちょうどあるぜー!よし、これで火作ってくれ!」

「は!?」


虫眼鏡と黒い紙…なにかと思ったら、火を作る!?

たしか光を虫眼鏡で集めて黒い紙に当てると、光が集合して火がつくよな!?

これは、俺が初めて勉強してて良かったって思えた出来事。まぁ小学校の理科の範囲だけど!


「ストップ!!一旦止まれって……」


俺が止めようと声をあげたとき、

突然周りに落ちてた大きめの石が…浮いた。


「え?ちょ、真白…!」

「あー、ごめんねりゅうくん。私我慢強くないから…」


我慢強くないから…じゃなくて!!

その石、絶対コイツらにぶつけようとしてるじゃん!しかも結構速いスピードで!!


「あーもうっ!一旦落ち着けよ!!!」


俺はかつてないくらいの大声で叫んだ…が!


「「「「「え、無理」」」」」


俺以外の全員が、ハモってそう言った。

てか樹も便乗してんじゃねぇ…!!