耳が割れるくらいの、大きい音。
紫と白が混じりあった、眩しすぎる光の道。
地面から微かに香る、焦げた匂い。
大地震を思わせるくらいの大きな振動。
ポツ 、ポツポツ_______
それと同時に降ってきた、冷たい雨粒。
その雨はあっという間に俺らの浴衣に浸透していった。
「……」
そして…焦げた地面の真ん中に立っているのは。
落ちた雷のような鋭さを瞳に宿した、樹だった。
「…やりすぎだろ、さすがに」
「どこがやりすぎなの?大切な友達傷つけたんだから、これくらいしなきゃ」
いつもなら樹は、怒っても笑顔を見せているのに…
今は笑顔のえの字もなかった。
「喧嘩売る相手が悪かったな…どんまい」
さっきの雷で気絶したカードオタクに同情してやる。
これは運が悪かったとしか、言いようがねぇ。
「てか、あの雷。もしかしたら、近くにいた俺が感電してたかもしれねぇぞ?」
「あぁ、それは大丈夫だよ。僕の能力で電気の散らばりは操作しておいたから」
平然とそう言う樹。
やっぱり、トップって言えるくらいの操作能力なんだ。
…今なら、樹も自傷の言葉を並べないで済むかな。
「…ほら、樹。見てみろよ」
「え?何を見るの?」
樹がぶんぶんと首を振って、辺りを見渡す。
いやそこじゃなくて……
「…樹の能力、役立たずなんかじゃねぇよ」
「な、なんで…」
目をぱちぱちさせて、樹はきょとんとする。
俺は降り止まない雨に負けじと、声を張った。
「樹の能力のおかげで、助かった。ありがと!」
俺がニッと笑顔を作ると、樹は信じられないものを見るような目をした。
な、なんだよ…俺が笑顔になるの、そんなおかしいかよ!?
…なーんてな。
まぁ、これで樹が少しでも自信を持ってくれれば……
「龍くん〜っ!!!」
「うおっ!?」
びしょびしょの樹が、びしょびしょな俺に抱きついてきた。
あぁ…こんなのが、ちょっと前にもあったな。
この世界も悪くない…なんて、少し濁して言ったっけ。
そーいやあの時は、抱きつかれるのを避けたっけ。
俺も心を許せる相手ができたのかな、と思うと内心ほくそ笑みを浮かべてしまう。
そんなことを思いながら樹に顔を向ける。
「嬉しいっ…ありがとうなんて、こっちのセリフだよっ!!」
顔を上げて笑顔になった樹の瞳から、雫が零れた。
それは、樹が流した綺麗な雨だった。
