ひらけ、ムコウ側の世界!



ゾクッ、とした。

なんとなくわかってた。コイツ、俺が違う世界の人間ってわかってたっぽいし。

ただ…本当にその脅しを突きつけられたら、為す術がねぇんだよ。

てか、今コイツ…『俺ら』って言ったか?


「っ、龍くん!!」


樹が血相を変えて叫んだ。
途端、後ろから気配がしたからサッとしゃがむ。

すぐさま振り向けば、そこにはバットを振りかぶった男……


「うがっ!」


男の腹に一発蹴りをいれたら、すぐに気絶した。


「スゴい手練れ感あるじゃん……」


少し声が震えてるカードオタク。あぁ、こんなんでビビるのか。

制圧なんてちょちょいのちょい、かもしれねぇけど…それは普通のヤツにしか出来ない。

風の能力とか使われたら、樹が危ねぇし。


「ビビった?じゃあ大人しくしっぽ巻いて帰れよ」

「はっ、脅してるのはこっちなんだけど」


まだ余裕の笑みを崩さないコイツは、腹立たしい口調で言ってきた。


「だいたい、ムコウ側のヤツなんて狙われるに決まってるだろ?なのにノコノコと祭りになんて来て…馬鹿だなぁ」


その言葉は、俺の心に鋭く突き刺さった。