ひらけ、ムコウ側の世界!



「な、何度も言うけど…私は重いもの、あんまり浮かせられないの!」


真白が狐のお面に触れながら、ぽつりと呟く。
その瞳には、悔しさが詰められているような気がした。

手伝いたいけど、逆に邪魔になるかも…ってことか?


「あぁ、重い物なんかは私らが運ぶから大丈夫だ!火薬などの細々したものを運んでもらいたいんだが…」

「そ、それなら…私の浮遊の能力で、お手伝い出来るかもっ!」


花が咲いたような、嬉しそうな表情で真白は笑う。


「浮遊とは!うってつけな能力の子がたくさんいるもんだなぁ〜」


あっはっは、と大袈裟に笑ったその人は…なんか教師を想像させる。さ、寒気が……


「…ねぇ、龍我」

「ん、なに?」


心の中で身震いしてたものの、名前を呼ばれて夏那恵の方へと視線を向ける。

そんな夏那恵は、どこか顔を赤くして…って、なんか照れてる!?


「あ、あたしが…とびっきりいい花火を見せるから!目に焼き付けてよ!!」


びしっ、と指さして、熱意のこもった瞳で俺を見てくる夏那恵。

そんなこと言われたら…楽しみだろ。


「あぁ…楽しみにしてる」


微笑むのはなんか照れくさいから、やめといた。

それ以上の言葉を言うのも変な空気になりそうだし、俺は樹の方を向いて「場所取りしに行こ」と言った。


「…じゃ!かなちゃんしろちゃん、また後でね〜!」


樹が笑って2人に手を振ると、2人も笑顔で手を振っていた。でも心なしか顔が赤い気が……


(…まさか、樹のことが好きってこと?)


あーなるほどな?恋って人の顔を変えるんだ…
勝手にそう解釈して、俺は樹とその場をあとにした。


「…あーもう、私も顔赤くなっちゃうっ!」

「な!も、って何よ!あたしは別に照れてなんか……」


そんな会話は、俺の耳に届かなかった。