ひらけ、ムコウ側の世界!



「みんな、誰かの役に立ってるねぇ…」


樹が独り言のように、小さく呟いた。
俺の地獄耳がキャッチしたその言葉を聞いて、俺はすぐさま樹の方を見た。


「ん?どうしたの、龍くん」

「…いや、なんでも」


だけど…樹は、いつものように俺に人懐っこい笑顔を浮かべた。

今の言葉が、気のせいなわけない。だって俺の地獄耳が拾ったんだからな!!


「じゃあ、そろそろ花火を見る場所を…って」


夏那恵が何かを見つけたかのように、一定の方向のみを見つめてる。
俺らは気になって、夏那恵の向ける視線を追った。


「あー、あたしの出番じゃない?」

「?あれは……」


_________花火の打ち上げ機。

そこには人が集まってて、どうやら花火を打ち上げる係の人っぽい。

てか夏那恵の出番って…どういうことだ?
だって花火なんて、専門家が担当するもんだろ?

俺は首を傾げたものの、樹と真白は訳知り顔。

何が始まるのか…と思ってたら、夏那恵はスタスタと歩いて花火機に近づいていった。


「ねぇ、そこの花火師さんたち!」

「んん?君は…危ないだろう、こんなところで」


夏那恵のあとを後ろからこっそり追って見てみると、係の人はいぶかしげな視線を向けていた。

だけど夏那恵は、そんな目を気にせずに…ニヤリと笑った。


「今日の花火の打ち上げ…あたしにお手伝いさせて?」