ひらけ、ムコウ側の世界!



「てか、めっちゃ綺麗だな」


俺はじーっと、その鏡を見る。

長らく放置してあったし、汚れてたり傷ついてたりしててもおかしくねーのに…この鏡は新品かってくらいキラキラに輝いてる。

その鏡は鮮明に、俺を映し出していた。


「…はぁ、馬鹿じゃね?俺」


その自分の姿を見て、ため息が漏れる。

きっと親が生きてたら…

勉強だって頑張って、褒めてもらって。
友達も出来て、放課後に楽しげに笑いあってー…とか、出来てたのかもしれない。

でもそれは、叶わぬ夢となった。親がいなくなってから。


…親がいなくなってから、俺は一人暮らしになった。

たまに叔母が来てくれて世話してくれたり、嫌な顔ひとつせず、生活費用を貰ったりした。

クレカも…叔母のもの。


迷惑をかけ、恐れられ…そんな自分に嫌気がさす。


「誰か…俺と、仲良くしてよ」


気づけば、鏡に触れながらぽつりと呟いていた。

そうしたら……


「はっ!?」


鏡は眩い光を放ち出した。
いやいや、なんだよこれ!?これじゃまるで異世界に行くみたいな________

そんな考えに行き着いた時には、強すぎる光に目を瞑っていた。

目を開けた先が、まさか本当に『異世界』だなんて…そのときは知る由もなかった。