「おー陽介くん!今年も来てくれたなぁ!」
「やきそば屋のおっちゃん!もちろん来るって〜!」
少し歩いてたどり着いたのは、陽介がずーっと『あとで行こう!』と言ってたやきそば屋だった。
なんか、行きたがってた理由がわかった気がする。やきそば屋の人と知り合いだったから、なんだな。
「…なんであんな仲良いの?」
俺が聞くと、答えてくれたのは樹だった。
「陽くんの能力って『火』でしょ?それで、ここのやきそばって作り方が独特で……」
ボワッ!!
樹が言い終わる前に、熱い空気が俺の頬を掠った。
そして派手な音と共に目の前が真っ赤に染まる。
「うおっ」
「あっはは!久しぶりに能力使った〜!!」
そんな中、陽介だけはずーっと火に手をかざしてる。能力を使ってるって、見るだけでもわかった。
てかコイツ、今までにないくらいハイテンションになってる…!
「……陽介って、能力を普段使えないぶん使える時にテンションが上がる。
店主さんもこれを見て、高い火力でやきそばを作るようになった」
静が説明してくれる。
な、なるほど…?確かにやきそばだけじゃなくて、高い火力を使うチャーハンとかも、陽介の能力は重宝しそう。
「でも、やきそば焦げるんじゃ…」
「そう思うか?そこの兄ちゃん!」
俺が言った言葉を、すかさず聞きとったのはやきそば屋の店主だった。
そして火力が高くて、見えなくなったやきそばをひょひょいっとヘラですくって器に乗せた。
「ほい、食べてみな!金はいらねぇよ、陽介くんには世話になってるしなぁ!」
そう言って俺…だけじゃなく、全員にやきそばを差し出す店主。
え…く、黒くね?
想像したとおり黒く…黒すぎるくらいに焦げたやきそばだった。でもこおばしい匂いはするし…美味いのかも!
「ちょ、龍我…!」
夏那恵が俺を止める前に、俺はやきそばを口に運んでいた。
