「花火まで、あと30分かぁ…」
樹がスマホの時計を見ながら、ぽつりと呟く。
「…場所取りしに行った方がいいかも」
「そうだね…」
静と真白もそう言って、辺りを見渡した。静の視線は少し高めの丘に向けられていた。
「あ、俺は龍我とやきそば買いに行くから!」
と、陽介が大声で言って俺の肩に飛び込んできた。
相変わらず弟属性だな、コイツ……
「えーダメ!僕も龍くんと一緒にいる!」
「そっ…それに、あたしら全員で行けばいいでしょ!」
樹が拗ねたように、夏那恵が焦ったようにそう言った。
まぁ、全員で行った方が楽しいだろうな。
「え?俺はそのつもりで、誘うつもりだったけど…だって全員のこと好きだし!」
陽介は当たり前だと言うように、ニッと笑顔を作った。
「…じゃあ、あと少しだけ周るか」
静はそう小さく呟いて、背をそむけて歩き出した。
なんか素っ気なかった気もするけど…多分照れてるんだろうなって思っとこ。
本人に言ったら怒られるだろーけど。
俺は小さく、笑みを浮かべた。
