そんなこんなで、あっという間に花火大会当日。
花火大会に行くまではよかった。楽しみだって思ってたぜ?だけどな…
「なんで浴衣なんて着なきゃいけねーんだよ!」
祭りの賑やかさに呑まれないよう、いつもより大きな声でそう文句を言った。
そんな俺が着ているのは、ストライプ柄の黒い浴衣。
「あ、当たり前でしょ!お祭りなんだし……」
俺に…いや、俺らに浴衣を着せた本人・夏那恵は、俺から目線を逸らして対抗してきた。
今日の夕方頃。
急に夏那恵に『浴衣着よ!全員ぶん借りれるところ見つけたから!』と言われたのだ。
そう。俺は普通の私服で行くと思っていたのに、急に!
「別にいいじゃ〜ん!かっこいいよ、龍くん!」
樹が笑ってそう言った。
樹は、ベージュ色でチェック柄の浴衣を身にまとってる。
って、よくねーよ!!
別に雰囲気に合わせる〜ってんなら、納得はできる。
でも動きにくいだろ?
雰囲気より動きやすさが欲しいんだ、俺は!
「俺は動きにくいからあんま着たくねーんだけどな!」
俺の心を鏡写しにしたように、頭の後ろで手を組みながら言った陽介。
よかった、同感者がいて!
