ひらけ、ムコウ側の世界!



「っあーもう!アンタら、しけてんじゃないわよ!!」


不穏な雰囲気の中、それをぶち破るかのように夏那恵の大きな声が伝った。

そして…1枚の紙を、ペラりと俺らの前に見せつけた。


「…なにこれ?」

「見てわかんないー?ここ!!」


いや、意味はわかるけど…
という前に、夏那恵はその紙に描かれたデカデカとした文字を指さした。


「花火大会よ!あっ、もしかしてムコウ側の世界にはない…?」

「別にあるけど」

「なにあるんじゃん!じゃあみんなで行こう!!」


ニカッと、眩しい笑顔で夏那恵はそう言った。
え?今の雰囲気から、急に花火大会かよ!?


「…あーほんと、かなちゃんは切り替えが早いなぁ」


樹も、あまりの事の移り変わりに苦笑いを浮かべてる。
すると夏那恵は、負けじと大きな声で抗議してきた。


「逆に!まだ見つかってもいないのに、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!

楽しめるときに楽しんどかなきゃ!!」


その言葉に…心のおもりは、意図も簡単に崩れていった気がした。