ひらけ、ムコウ側の世界!



全員、俺を元の世界に返そうと必死だった。

でもだからこそ…俺は、すげー寂しく思ってしまう。
だって、元の世界に帰るってことはすなわち…もう会えないってこと。

1番嫌な展開だ。

だってあっちに戻ったって、親はいねーし友達もいねぇ。ただの『不良』って恐れられるだけなんだ。

だからこそ……


「…もういいよ。帰りたくねぇ、俺」


俺は本音を零した。
もう帰りたくないって、ちゃんと言った。

そしたら…コイツらは、『そっか』って諦めてくれるかもしれない。
だけどそんな考えは、甘かった。甘すぎた。


「…ダメだよ、龍くん。帰らなきゃ」


樹が、いつにもなく真剣な表情でそう言った。
そんな様子に…俺は悲しさが込み上げてくる。


「なんで?それって、俺といるのが嫌だから?」

「違う!!!」


でも樹はすぐに、俺の言葉を否定した。