ひらけ、ムコウ側の世界!


* * *


「楽しかったー?かなちゃんと龍くん!」


フードコートに着くと、4人が席を確保してくれてた。

…さっきまでついてきてたのに、先回りしてるってすごくね?瞬間移動かよ!?

元の世界なら『瞬間移動なんてありえねぇな』って笑えたのに、この世界ではもう何も言えない。充分ありえる。


「た、楽しかったも何も…あたしがコーディネートしてあげてただけだから!!」

「…そのツンデレは根っからなの?」

「っな、静!アンタねぇ、いつも余計なことばかり…!!」


2人がなんか言い合ってるけど、なぜか樹が怖い圧を発してるから、あんまり何言ってるかわからなかった。

…は?てか、樹はなんで怖い圧を出してんの!?


「龍くん、すっごくカッコよくなったね!」

「お、おう…さんきゅ」


樹の圧はバンバン放たれてるけど、褒められたので言葉を返しておく。


「えー、俺も一緒に店周りたかったー!」


その次に、陽介が拗ねたように言ったので…俺は思わず口を滑らせた。


「陽介たちずっと着いてきてたし、ほぼ一緒に周ったようなもんだろ」


数秒の沈黙。
あ、と思ったときには樹が凄い気迫で顔を近づけてきた。


「龍くん、気づいてたの!?」

「…当たり前だろ。目立ちすぎなんだよ、お前ら」


本気で気づかれてないと思ったらしく、樹と陽介は目を見開いてアタフタしてる。


「…とにかく行こうぜ、飯」

「そ、そうだね。あはは〜」


苦笑いを浮かべてそう言う樹。
俺ははぁとため息をつき、席を立ち上がった。