「ふーっ、満足満足〜♪」
夏那恵が跳ねるような声でそう言う。
あれから5軒_______しっかりと戻り、夏那恵が気に入ったらしい服を全部買ってもらってしまった。
俺の両手には、大きな袋が3つずつ持たされている。
しかも全部違う店な?
「…なんでこんなに、俺に尽くしてくれんの?」
俺がふと、気になったことを呟く。
すると先を歩いていた夏那恵が、くるりと振り返った。
そして……なぜだか、みるみる顔が赤くなってる?
「だっ…ダサい人、嫌いだから!!」
吐き捨てるようにそう言って、すぐに俺に背を向けて歩いていく。
…え?これ、静に借りたヤツだぜ?
遠回しに静のこと……と思ったが、それ以上は考えないでおく。
てか、顔赤くなってたし…アイツ照れてたよな。
どこに照れる要素があった…?
「あ、龍我!アンタせっかく買ったんだし、着替えてきたら!?」
思いついたように、俺の方へと戻ってきた夏那恵がふとそう言った。
「今から?」
「そうっ!ほら、トイレにでも行って着替えてきなって!」
夏那恵は、ちょうど通りかかったトイレの通路へと俺の背中を押した。
そして「待ってる〜!」と近くの椅子に座ってしまった。どうやら俺が着替えてくるまで立ち上がる気はないらしい。
(めんどいけど…まぁ、せっかく買ってくれたんだし)
俺は諦めて、袋の中身を覗き込んだ。
