ひらけ、ムコウ側の世界!



「龍くん!学校行こうよ〜!!」


朝起きて、慣れない部屋でボーッとしてたら…
起きたばかりなのに元気な樹が、大声で詰め寄ってきた。


「…むり、めんどい」

「そう言わずに〜!!」


俺が速攻否定すると、樹は笑顔で手を引いてきた。

それでも否定し続けてると、洗面所から静がでてきた。どうやら顔を洗ってたらしく…なんか、髪がちょっと凍ってる。


「…学校行くかの話?」

「そうそう〜!」


樹がこくりと頷くと、静は俺のことをじーっと見つめて…

ふと、小さく微笑んだ。

俺が「は?」と声を出す前に、静は口を開く。


「…今日は能力の授業とか、ある。来てみたら?」


静から聞いたことのない優しい声色。
いやいや…昨日まで無表情!無愛想!って感じだったのに!?

静が笑ったの、俺が転んだときくらいしか……


「あ〜そうそう!能力のね、確かにー!!」


樹が手を合わせて、便乗してくる。

その笑顔にどこか違和感を持ったけど、俺の心は最絶頂にあった。

小学生のときに買ってもらった漫画に、能力バトル系のがあったから…少し憧れ。

自分が使えるわけじゃねーけど、見てみたい。


だから俺は…


「…今日だけ、な」

「ほんと!?わーい!!」


餌付けされた犬のようにノコノコと着いて行ってしまった。