「えっ、なんで如月 龍我がいんの…!?」
「馬鹿っ、そんな大声で言うなって!」
あーうぜぇ。
6時間目の授業が終わって、俺は帰ろうとしたけど…バックの中に財布がなかったことに気づいたから、教室に取りに来た。
帰りの騒がしいところに紛れれば、大丈夫かなと思ったのに…
「…確か、ここに」
急いで帰りたくて、自分の机とされるところを覗く。
あった。今日の朝に教室来たとき、担任に財布持ってきてるのバレそうだったから隠したんだ。
うちの学校は財布どころか、スマホや食い物は持ち込み禁止。
つまり俺は、校則を破る達人ってこと。
「……」
周りからの視線が痛くて、俺は黙って教室を出る。
そのとき、こんな会話が聞こえてきた。
「ねね、ファンタジーのマンガとかアニメってさ?
あっちの世界で愛される〜!っていうのが多いじゃん?」
「確かに!本当にそうなったらいいのになぁ…」
ね〜、と楽しげに会話する女子生徒。
そんなヤツらに…心の中で呟いた。
現実世界ですら幸せになれねーヤツもいるのに、異世界に行ったところで何も変わらねーだろ…って。
