ひらけ、ムコウ側の世界!



「…え?」

「親は1年前に亡くなった。友達の方は…元の世界で、俺は不良だったしいない」


口が滑ったし、隠すことでもないから言った。

まぁでも樹は衝撃的だったみたいで、しばらくずーっと口を開けたまんまだった。

でも我に返ったようにハッとすると…


「…そっか」


そう一言、呟いた。

哀れんでんのかなーとか思ってたけど…樹はニコッと明るく笑った。


「じゃあ、僕らが龍くんの1番の友達になれるねっ!」


樹のその言葉に、俺は目を見開く。

だって会ってばかりでこんな態度とってるし、正直嫌われると思ってた。


「…俺のこと、嫌だとか思ってねーのかよ」


思わず聞いてしまった。
だって…そんなこと言われたら、期待しちゃいそうだから。


「嫌?ぜんっぜん!」


樹は、そう即答した。

人間って少しでも迷ったら、ためらってしまう。
でもそんな様子が1つもなかったから….本当なのかなって、思った。


「最初は…『怖い人だなー』って思ってたけど、僕が分かってなかった。龍くんはいい子!」


いい子…俺と1番、かけ離れた言葉だった。

前までの俺だったら、疑って信じなかったけど…なんだか今は、心にすとんと言葉が落ちてくる。


「…ありがと」


嬉しくて…すごく嬉しくて。
樹のこと、すぐ信頼してしまった。俺ってこんな単純だったんだなってわからされた。