ひらけ、ムコウ側の世界!



「お、いいね似合ってる!」


数分後、着替え終わって戻ると…樹が俺を見て微笑んできた。


「…俺の元の世界での服と、ちょっと似てる」

「ほんと?じゃあ着やすいよね!よかった!」


樹たちは、たとえ嫌々だったとしても俺に色々気を使ってくれてる。

俺はそれに笑い返すことは、まだ出来ないけど…少しだけ人の温もりを感じる気がした。


「あ、部屋とか物は自由に使っていいよ!」

「…いいのかよ?俺にそんな待遇して」

「え?うん!だってもうファミリーだし!」


樹が当たり前とでも言うように、そう言い切った。

簡単に人信じすぎ…

てかコイツらからしたら知らない世界のヤツを守らなきゃいけねーわけだろ?

普通考えたら、気が気じゃない。


「…龍くんは、どう思った?」

「は?なにが」

「だって、今日初めてこの世界に投げ込まれて。右も左もわかんない状態で、勝手にいろいろ決めたでしょ?」


樹の不安そうな問いかけに、俺はびっくりする。

だって正直…そんなこと考えずに、自分のしたいことを突き通すようなヤツだと思ってたから。


「僕だったら…耐えられないかも。友達とか親ともう会えないかもしれないって」


…友達と、親か。


「……別に、俺にはどっちもいねーし」


気づいた時には、そうぽつりと呟いていた。