ひらけ、ムコウ側の世界!




「…疲れすぎだろ」

「それな!?やっぱ体力付けようぜー!?」


俺と陽介が横並びで立って、うんうんと頷き合う。

…なんかコイツと仲良くなれねーと思ってたけど、意外と意気投合できそうだな。


鬼ごっこは十数分続いた。

陽介と樹は能力使ってなかったけど…


静はでっけぇ水筒の中の水をばらまいて凍らせたり。

真白は能力で小石浮かせて、すげー速さで動かしてきたり。あ、さすがに避けれるスピードだけどな?

そしてなんと言っても夏那恵は、捕まりそうになったらすぐに光らせて目くらまししてくるし!!


でも…普通の鬼ごっこより、人一倍面白かったのは確か。危険だけど。


「てか、龍我すげーな!」

「…そっちこそ。体力おばけだろ」


お互いを褒めあっていると……


「はぁ、はぁっ…アンタらどうかしてるってぇ…!」


うぐっ、と地面にへたりこんだ夏那恵。

静はベンチで、樹と真白はなんとか立ってる。
でも全員息苦しそう。


(そんな疲れるか?)


俺が教師と鬼ごっこしてるときの方が、大変で疲れると思うけど……


「な、なんで龍くんはそんなに疲れてないのぉ!?」


樹が胸に手を当てて聞いてくる。
多分、すげー息苦しいんだろうなぁ…俺も走りすぎたら胸痛くなるし。


「まぁ…教師と鍛えてきたから」

「龍くんの先生、スパルタすぎるでしょ!?」

「スパルタ…ってより、鬼?いっつも追いかけてくる」


デスゲームとかで怪物に追いかけられてる感覚と一緒。捕まったらジ・エンドだし。


「む、ムコウ側の世界って怖いんだね……」


真白が引き気味にそう言ってくる。

ん?あーまぁ…俺んとこがちょっと特殊だったからな。