ひらけ、ムコウ側の世界!



「…ふーん、随分ナメられてるね〜」


樹がにっこにこで笑っている。
…俺でもわかる。これすげー怒ってるってこと!!


「まぁあとで、うんともすんとも言えなくしてやるから!」

「…容赦しない」

「フリョーには負けないからー!」

「え、っと…頑張ろうね!」


すげー反感を買ったのに、真白だけなんも言わない。
優しいヤツなのかもなって、もう思ってしまった。

いやいや、そんなすぐ騙されんな俺!!


「じゃあ最初は、言い出しっぺの僕からでいいよ!」


樹は自分から鬼に立候補した。
お、丁度いい。俺は逃げる方が鍛えてきたし!(教師との鬼ごっこで)


「じゃ、10秒数えるね〜!」


「1、2……」と律儀に数え始めたから、俺以外の4人は樹から距離をとっていた。

ま…俺だけは樹の真後ろにいるけど。


「…9、10!じゃあ行く…って龍くん!そんな僕のことナメてるの!?」

「あぁ。身体能力で負ける気はねーし」


正直に言ったら、樹はぐぬぬと唇を尖らせた。


「…絶対捕まえてやる」


え?今すげー低い声じゃなかったか…!?
そう思ってる隙に、樹は走り出していた。

_______しかも、結構速い。


「うおっ」

「え!?ちょ、龍くん速すぎなーい!?!?」


まぁでも逃げれる範囲内だったし、全速力で走って距離をとった。

…なんかそれだけで、教師との鬼ごっこより楽しいなって思えた気がした。