「ちょっ、どこ行くんだよ…!!」
「んー?ないしょ!とにかく強制連行でーす!」
にっこにこな笑顔で、俺を引っ張りながら言う樹。
それに抵抗できず、ズルズルと引きずられている俺。
横では陽介が面白いものを見るかのように上機嫌だし、静は無表情だし……
話が通じるヤツがいねぇ!!
それに…能力を全員持ってたとすると、無駄に抗ったら痛い目見そうだし。
てか能力の詳細とか、全然聞いてねーや。
コイツらと無闇に話したくねぇけど、これはしょうがないか。
「…能力って、全員持ってんの?」
ぶっきらぼうにぽつりと呟く。
それをすぐさま聞き取って応えてくれたのは、陽介だ。
「おう!ここでは能力が当たり前だし!」
「…あっそ」
じゃあコイツや樹も、静みたくなんかしらの能力があるってことか。
「あーでも、なんでも出来る訳じゃないぜー?」
付け足すように陽介はそう言った。
そしてその言葉を繋ぐように、樹も話し始める。
「うん!例えば静くんだったら、さっきみたいに水を氷に変えたり、氷の形を自由自在に変えれるけど……」
「だから樹、おれを例えにしないでって…」
樹の言葉を遮った静は、ため息をついてぽつりと自分の能力のことを話した。
「……おれは自分で氷を作れない。まばたきする間に氷が出来たら、楽なのにね」
手のひらを見ながら、静は目線を下に向ける。
確かになんでも出来る訳じゃないらしい。さすがにマンガみたく、なんでも生み出せて〜とかだったら…こんな穏やかじゃねぇか。
なら少しは抵抗できるか…と、少し余裕に思ってしまった。
