ひらけ、ムコウ側の世界!



キーンコーンカーンコーン


そんなこんなしていると、聞き覚えのある学校のチャイムが鳴る。
てかこっちの世界でもチャイムの音は変わらないのな。

ちょっと感心してると、静がスっと立ち上がった。


「…今日5時間授業だし、帰る」


と、帰り支度を始めた。
それを見た教師が、慌てて止める。


「おい、静!少しくらい待てって…」

「待つ必要…ある?」

「うっ……」


図星をつかれたのか、たじろぐ教師。
そんな中でも涼しい顔して静はバックに物を詰めている。

そして…机を後ろに移動させた。

俺が「ん?」と疑問に思う。こっちの世界は、帰りに机を後ろに下げるっていう決まりがあんのか?

と思ったが、違うとすぐにわかった。


「…後片付けは任せまーす」


そう言いながら、静はアート並の氷に手をかざすと…意図も簡単に氷は溶けて水になった。

=教室は水浸し。


「静!なんで溶かしたんだ!!」

「だって、元はかけてきたの先生だし」


…確かに。わりーのは教師か。
教師は自分の行動を悔やんでるかのように、どこからかモップを取り出して拭き始めた。


「じゃ、行こー!!」


水浸しになった教室には目もくれず、樹と陽介も帰り支度をし終わっていた。

その慣れてる感じに、これが日常なのか?と呆れてしまう。騒がしくて大変だな……俺が一番苦手かも。


「樹、陽介、静!ちゃんと如月を守るんだぞ!」

「はいはーい!」


教師の言葉に、代表して樹が応えた。


「だから俺はオヒメサマでもねぇんだから、守られる必要ねぇんだよ……」

「龍我、この世界のこと見くびりすぎ!もっとわかってから言えよな!」


心の中で呟いたつもりだったのに、声は漏れてたみたいだ。

確かになんも知らねぇけど、お前らだって俺の事知らないだろ……
そんな言葉を飲み込む代わりに、威圧的な態度をしてやった。