ひらけ、ムコウ側の世界!



「おはようございまーす」


俺がバックを肩に担ぎながら、教室に入る。

すると先に来ていた生徒と教師、全員が目をまん丸にして俺の方を見てくる。


「えっ…き、如月龍我がいるんだけど!?」

「なんでこんな朝っぱらから!?てか、なんか雰囲気柔らかくね…?」


…全部聞こえてるよーだ。

でもまぁ、なぜだか嫌な気はしなかった。
学校に行くのは、2ヶ月間ずーっとだったし…クラスのメンバーが変わっただけで、他は変わらない。


「き、如月…今日は来たのか!?」


驚いたように駆け寄ってくる教師。

前までだったら苛立ちを覚えてたけど…今は思いつく言葉がひとつしかなかった。


「…今まで悪かったよ」

「え…?」

「不良とかに相手すんの、疲れただろ。これからは真面目に授業受ける」


俺の言葉に、ぽかんと口をあんぐり開ける教師。
おかしくて笑っちゃいそう。


「如月…来てくれて嬉しいよ、歓迎する」


本当に思ってるんだか。
でも、これから態度をもっと改めていければ…クラスにも馴染めるか。


「ん、どーも」


俺はスタスタと歩いて、自分の机に移動する。

持ってきたのは、ほぼ使ってなかった新しい教科書たちだけ。

財布も、スマホも持ってきてない。
…もう、校則を破る達人の称号も剥奪だな。


「それじゃあ、HR始めるぞ〜」


教師の声に、ふっと顔を上げた。

…なんだか、あっちの世界の教師と重なる気がして癪だわな。

誰にもバレないように、小さく笑みを浮かべた。