ひらけ、ムコウ側の世界!



会って安心させたい。
「俺はもう大丈夫。真面目に学校にも行く」…って。

この世界に来てから、不良なんて言葉は俺に似合わなくなったと思う。


「……」


樹たちと離れたくないけれど…
だけどいつまでも甘えていたら、今度はもっとダメになっていく。

だからそろそろ…お別れの時間だ。


(かと言って、帰る方法なんて知らねぇけどさ…)


正直帰れると思って、今日来たわけじゃない。
でも…もし帰れるのなら、見送りなんてほしくない。

……帰りたく、なくなるから。


「あーあ、俺どうやってこの世界に来たっけなぁ…」


ぼんやりとあの時を思い出す。


「確かこうやって、鏡に触れて…」


…ま、出来るわけねぇか。
こんな方法なんて、もうとっくの昔に試したし。


(…会いたいな、叔母さん)


強く、そう願った。
頭の中で叔母さんの顔が思い描かれる。すごく、優しい顔。

会いたい、会いたい_________


ピカッ!!!


「っ!?」


突如、鏡が強く光出した。

はっ…マジかよこれ、あの時と一緒じゃねぇか。


本当に帰れちゃうのなら…最後に、お別れの言葉くらい言えばよかった_________

そんな後悔を頭にチラつかせながら、俺は眩い光に目を瞑った。






そして、次に目を開けた時には…

紫色の布が放りっぱなしにされた、久しぶりに見る廊下が視界に映った。