『まさか新しい皇帝がこんなに話のわかる奴だと思わなかった。やはりワシの勘は正しいな!』
どうやらサンドラクト国王も同じように思っていたようだ。
その後は王太子のフェランの愚痴と第一王女のカリマの自慢話を永遠と聞かされることになった。
表向きは国同士の歩み寄りで、本来の目的は互いの利益のために。
しかし実際にはヴィクトールの予想を上回ることが起きていた。
(明らかにこの女が来てからだな……)
シャルレーヌは彼が言うほどの危険な人物なのかと疑いたくなるほどに可憐な令嬢だった。
ホワイトゴールドの髪とストロベリーピンクの瞳。
誰が見てもかわいらしく華奢な令嬢だった。
サンドラクト国王は見目はいいと言っていたが想像を遥かに超えていた。
それに加えて病弱らしく何度も咳をしていた。
いろいろな策略が絡み合った結果、シャルレーヌは門で倒れてしまった。
監視カメラのような役割を果たす魔導具が門に集まっていることが気になり、様子を見に行ったことでヴィクトールが直接シャルレーヌを助けることになってしまった。
その時、闇魔法に触れてしまったような気がした。
サンドラクト帝国に住むものならば、絶対にありえない行動だろう。
シャルレーヌは倒れてしまったため気になってはいた。
そう思い、侍女を派遣するも彼女たちから音沙汰はない。
こちらのミスであるからだ。とにかく彼女の回復を待つしかなく、その後に会えればいいと思っていた。
焦ったところで意味はない。
彼女はもうナリニーユ帝国に嫁いできたのだから。



