魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

『ほう……凄まじいものだな。これはもしやがあるかもしれんな』


そして楽しそうに笑い出したではないか。


『彼女が正妃になることはありえません』

『そんなものに興味はないだろう。ワシもどうでもいい』


豪快に笑うサンドラクト国王が結局、何を伝えようとしているのかまったくわからない。
魔法がなければ暮らせない国に送り込んで彼女に何ができるのだろう。

(ただ飢えて死んでいくのを見ていろと?)

ヴィクトールのわずかな表情の動きで言いたいことを察したのだろう。


『逆に魔法を使えないからと油断していると、アイツに食われるぞ?』

『はっ……ありえませんよ』


彼はニヤリと唇を歪めた。
それが本心かハッタリかを見極めるのは難しい。


『仮に第二王女を娶り、こちらに何のメリットはあるのですか?』


彼が〝化け物〟と呼ぶ病弱な王女と結婚したことで何の得があるのか、まったく理解できない。


『同盟を結べば素晴らしい実績となるだろう? どの皇帝も成し得なかったことだ』

『…………』

『シャルレーヌが帝国にいる間はこれ以上領土を広げないと約束しよう。それはお前がシャルレーヌを引き止められたらの話だがな。すれば皇帝に反対していた者たちを安易に黙らせることもできるだろう?』