魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

ルイに支えてもらいながらシャルレーヌはそのまま部屋を後にした。
少なからず爪痕を残せたのではないだろうか。

(ルイとロミに手を出させない牽制にもなってくれると嬉しいのだけれど……)

エマニュエルとアナベルには適度な復讐ができただろう。
ヴィクトールからは彼女たちがしたことに怒りを滲ませていた。こんなことをするとは微塵も思っていなかった
少し疑念を抱かせるだけで落ちていく。
今頃はシャルレーヌに恨みを募らせているはずだ。

シャルレーヌは光が一切入らない自室に足を踏み込んだ瞬間、安心から崩れ落ちる。
暗闇の中、引き摺られるようにしてベッドに倒れ込み思いきり咳き込んだ。


「シャルレーヌ様、大丈夫ですか?」

「…………まるで地獄よ」

「そうでしょうね」

「途中で退出するなんて情けないわ」


そのまま休んでいると、ヴィクトールが手配したのだろうか。
ルイが紅茶を取りに行っている間、扉に響くノックの音。
ロミがシャルレーヌに現状を説明し、医師が数人やってきたことを伝えた。

(面倒だわ……)

しかしここで断るのも仮病を疑われる可能性があるため、部屋の中に招き入れる。
光の入らない物置き部屋に心底驚いているようだが、部屋に置いてあったランプに魔力を込めて灯りが灯る。
シャルレーヌは大人しく診察を受けていた。