周囲から見たら、彼女の申し出は優しさに映るのだろうか。
ロミとルイの服を切り裂くように指示を出して、シャルレーヌを物置き部屋に案内した人物に思えない。
たしかに魔法を見たいだけならばそれで済む話だ。
けれど魔法具や普通の魔法ならば、ある程度シャルレーヌも知っているし想像がつく。
「普通の魔法でしたら、高が知れているので大丈夫ですわ」
「……なっ!」
「わたくしは父が唯一恐れた魔法がどのようなものか……直接この目で見てみたいなと思ったのです」
サンドラクト国王はナリニーユ帝国の皇帝がヴィクトールになると、一目置くようになった。
前皇帝など『あれはただの女好きだ。運がよかっただけのこと。ワシの相手にはならんな!』と豪語するほど。
よく馬鹿にしていたが、今回はヴィクトールにそのような発言をしていなかった。
主に戦いのことしか考えていない国王だが、彼の勘は本当によく当たる。
シャルレーヌも、彼の光のない無機質な瞳が底なしの闇のようで惹きつけられた。
「とっても恐ろしいと聞きましたので、わたくしも直接見て確かめたいですわ」
呑気なシャルレーヌとは違い、彼女たちはヴィクトールがどういう魔法を使うのかを知っているのかもしれない。
誰も言葉を発しない。ベアトリスだけは青ざめていた。
ヴィクトールがフッと息を吐き出すと口角が上がった。
ゾワリとした重苦しい空気がシャルレーヌを包み込む。
ロミとルイの服を切り裂くように指示を出して、シャルレーヌを物置き部屋に案内した人物に思えない。
たしかに魔法を見たいだけならばそれで済む話だ。
けれど魔法具や普通の魔法ならば、ある程度シャルレーヌも知っているし想像がつく。
「普通の魔法でしたら、高が知れているので大丈夫ですわ」
「……なっ!」
「わたくしは父が唯一恐れた魔法がどのようなものか……直接この目で見てみたいなと思ったのです」
サンドラクト国王はナリニーユ帝国の皇帝がヴィクトールになると、一目置くようになった。
前皇帝など『あれはただの女好きだ。運がよかっただけのこと。ワシの相手にはならんな!』と豪語するほど。
よく馬鹿にしていたが、今回はヴィクトールにそのような発言をしていなかった。
主に戦いのことしか考えていない国王だが、彼の勘は本当によく当たる。
シャルレーヌも、彼の光のない無機質な瞳が底なしの闇のようで惹きつけられた。
「とっても恐ろしいと聞きましたので、わたくしも直接見て確かめたいですわ」
呑気なシャルレーヌとは違い、彼女たちはヴィクトールがどういう魔法を使うのかを知っているのかもしれない。
誰も言葉を発しない。ベアトリスだけは青ざめていた。
ヴィクトールがフッと息を吐き出すと口角が上がった。
ゾワリとした重苦しい空気がシャルレーヌを包み込む。



