魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

楽しげに談笑しているように見えて、常に様子を窺われていた。
値踏みされるような視線は、これからしばらく続くとしても何も仕掛けてくることはない。
少なくとも侍女や侍従の服を傷つけられ、出迎えも来ず、蔑ろにされていることを理解して、わきまえていると勘違いしているのか。
シャルレーヌの見た目や、予想以上に病弱な姿から敵ではないと判断したのかもしれない。

(甘い……甘ったるくて吐き気がしますわ)

上部だけの会話が繰り返される場で、シャルレーヌは甘さを中和するように水だけを口にしていた。

しかし最初に仕掛けてきたのはアナベルだった。


「ここでの生活はどうかしら? 侍女と侍従が嫌がらせをされたと聞いたけれど大丈夫?」

「……えぇ、お気遣いいただきありがとうございます」


天使のように微笑むアナベル。
彼女の笑顔の裏には色々な策略が渦巻いていそうだ。
それがヴィクトールへのアピールにもなるのかもしれない。
その証拠にエマニュエルの顔が醜く歪む。

(やられた分はやり返さないといけませんもの……気合いを入れませんと)