魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

(そう思われても無理はありませんわね。サンドラクト王国の王女なんですもの)

どちらでもシャルレーヌは関係ない。
ただあのひんやりとした闇に寄り添えたらそれでいいのだ。


こうしてシャルレーヌは無事に謁見を終えた。
オノレに侍女服や侍従服を支給してもらい、ルイとロミも無表情ではあるがご機嫌だ。
やはりボロボロな状態は不服だったのだろう。

今回の謁見はシャルレーヌの満足いく結果になったといえる。
瞼を閉じるとカラスの視界を借りることができた。
謁見の間では、シャルレーヌに関するいろいろな憶測が飛び交っているようだ。

まだシャルレーヌがどんな人物か掴みきれないというのが本音のようだ。
サンドラクト王国出身とは思えない物腰柔らかな振る舞いや口調。
動じない態度や妃の勤めを果たそうとする態度や謝罪の言葉を発したこと。モルガンを庇ったこともそうだ。
彼らはシャルレーヌを疑い、どんな人物なのか決めかねている。

しかしヴィクトールだけは、じっとシャルレーヌが出て行った扉を見つめていた。
その横ではオノレが自分がいない間に何があったのかわからないとばかりに首を傾げている。
周囲の様子をうかがっており、モルガンはショックを受けているのか呆然としている。
ロミとルイは無表情のまま、シャルレーヌの背後に控えていた。

しかしこちらを睨みつけたヴィクトールの顔が映り、カラスが飛びたったため視界が切れてしまった。


「……ふふっ」