魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

黒い煙のようなモヤはモルガンの首を徐々に締め上げていく。
シャルレーヌはあの時の状況を思い出しつつ考えていた。

(もしかしてわたくしが来たことで本来、伝達を賄っていた動物たちが逃げ出してしまったのかしら……モルガン様のところに連絡がいかなかったとしたら)

ヴィクトールの側近ということで、彼の不利益になることはすることはなさそうだ。
今も必死に言い訳を繰り返しているし、明らかにプライドが高そうな彼がそうするとは考えづらい。

(つまり……あれはわたくしのせいだということかしら)

シャルレーヌが来たことで驚いてしまったのだろう。
地下牢でも契約した子か眷属しか近づけなかったことを思い出す。

少なくとも会話を盗み聞きする魔導具を仕掛けたり、ロミとルイの服をボロボロにするように命令している妃たちとは違うということだ。
銀色の球体もカラスたちが壊してくれたし、服もオノレという人物が取りに行っている。
妃たちも皇帝から支給されたものを引き裂くような愚かな真似はしないはずだ。

(そうとも知らずに意地悪しすぎてしまったわ。早とちりしてしまうのはわたくしの悪い癖ね。これではモルガン様が可哀想……)

そう思ったシャルレーヌはすぐに行動に移す。


「彼は悪くありませんわ。わたくしの体が持たなかったばかりに申し訳ありません」