魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

今度はシャルレーヌがため息を吐く。
くだらない申し出は何度めだろうか。


「一応、確認のために聞いておきますけれど、カリマお姉様ではなく、わたくしの縁談ですの?」

「ああ、そうだ」

「またわたくしを利用して、内部から国を乗っ取る気でしたらお断りですわ」

「まぁそういうな。もうそんなことはしない」

「……どうだか」

「周辺諸国に警戒されているんだ。しばらくは大人しくしているさ」


シャルレーヌは今まで二度ほど隣国に嫁いだ。
十二歳と十五歳の時だ。けれどもう嫁いだ国はなくなってしまった。
正しく言うならばサンドラクト王国が吸収してしまった。
シャルレーヌが嫁いで一年足らずで消えたのだ。

サンドラクト王国はここら一帯の国々で唯一魔法や魔具に頼らない王国だった。
他国からはシャルレーヌが傾国の美女だったため内部から取り合ったと言われているがまったくのでたらめだ。
シャルレーヌも加担していたことは否定できないが、最終的には自分たちで争い、裏切って壊れてしまった。

(わたくしより弱くて脆かったんですもの……仕方ないわ)

シャルレーヌがただの国に行けばこうなってしまうのだ。
つまらない存在なのだから尚更のこと。
けれどスパイを疑われることも、シャルレーヌのせいになることもなかった。

表向きはシャルレーヌが病弱でサンドラクト国王に溺愛されすぎていることが原因になっていた。
他国にはすべて父がシャルレーヌに不当な扱いを受けた国に罰を与えたような形か、もしくは父が仕組んだことになっている。