後ろに控えていたルイがシャルレーヌに肩を貸す。
それには元々不機嫌そうなヴィクトールもさらに不快感を露わにした。
「その服はなんだ?」
「お目汚しを申し訳ありません。わたくしが休んでいる間に何者かに切り刻まれたようで……もうこれ以上、持ち込んだ服はありませんので、このまま失礼いたします」
「……オノレ、今すぐに服を手配しろ」
「かしこまりました」
ヴィクトールの一言に背後に控えていたオノレと呼ばれた側近が動き出す。
深い緑の短髪に頬には傷痕、筋骨隆々なところを見るに彼はヴィクトールの護衛なのだろうか。
しかしシャルレーヌが注目したのはもう一人の側近だ。
ミルクティー色の髪は長く、全体的に色素が薄く中性的。
神経質そうな見た目だが、どこか焦っているように見える。
ヴィクトールが「……モルガン」と名前を呼ぶと大きく肩を揺らした。
(モルガン様……この方がカラスたちの元主人ね。彼らの協力を得られなくなったことで不安なのね。わかりやすい反応ですわ)
シャルレーヌはもう一人の側近を見て笑みを深めた。
(少し虐めてしまおうかしら……)
そう思っているとヴィクトールから声がかかり、ゆっくりと視線を戻す。



