魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

ルイが何を言いたいのかはわかっていた。
あまり派手な動きは危険だと言いたいのだろう。
それにあれだけのカラスを従えていたとなれば、皇帝の側近に選ばれるのも納得だ。

けれどカラスたちがいながらシャルレーヌの出迎えをしなかったとするならば腹立たしい。
他にもあの状況を知りながら見ていただけの奴らがたくさんいたということだ。

(……あの銀色の玉で様子を見ていたのかしら)

シャルレーヌを迎えに来るのも本来皇帝の仕事ではないはずだ。
彼だけがシャルレーヌの体調を気遣ってくれた。
それは紛れもない事実なのだ。
歓迎されていないにしても、先に礼をかいたのはそちらの方なのだから問題はない。


「ウフフ……わたくしを待たせた罰ですわ」

「……かしこまりました」

「そろそろ準備をいたしましょうか。これからきっとおもしろいものが見れるわ」


シャルレーヌは準備を行い、謁見の間へと足を進める。
値踏みするような視線、馬鹿にするような声が聞こえていた。
あえて視線を返し、声をする方を見つめた。
すると戸惑いつつも視線を逸らして黙る人たちばかりだ。
シャルレーヌは一人一人の顔をしっかりと覚えながら進んでいく。