魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

ロミに事実かを確認しようと呼び立てるが、シャルレーヌの目の前には再びボロボロの格好をしているルイとロミの姿があった。
二人は深々と頭を下げている。


「シャルレーヌ様、申し訳ございません」

「繕おうかと思ったのですが、間に合いませんでした」


シャルレーヌは二人の返答を聞いた後ににこやかに笑った。
何をしないように指示を出したのはこちらの方だ。二人が謝る必要もない。


「……いいのよ。けれど困ったわねぇ。時間もないし、そのままでいいから謁見の準備をしてちょうだい」

「かしこまりました」
 
「お忙しい陛下をお待たせするわけにはいかないもの」


ボロボロの燕尾服のままロミは部屋の外へ。
ルイと共に準備を進めていく。
どうやら今から夫となった彼に会うことができるようだ。

(医師も手配してくれようとするなんて体調に気遣ってくれているのかしら)

シャルレーヌは窓を開く。サンドラクト王国の湿った地下牢の空気とは違う。
甘ったるく空気中に漂うものが魔力なのかもしれない。

(狭くて暗い……居心地はまぁまぁかしら)

シャルレーヌは辺りを見回して、プカプカと浮いている銀色の球体を手で引き寄せてから掴む。


「……ウフフ」


親指と人差し指で掴んでからコロコロと転がして、空に向かって思いきり投げつける。
するとカラスが飛んできて銀色の球を見事にキャッチした。
そのまま嘴で割ってしまったではないか。


「あらまぁ……」