魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

「まだ何か御用でしょうか」

「用がなければここにはいないだろう?」

「そうですわよねぇ……あ、わかりましたわ。またくだらないお仕事の依頼でしょう?」


シャルレーヌは手を合わせて微笑んだ。
サンドラクト国王がここにくる理由など一つしかない。
シャルレーヌの手にはどこから出てきたのか、先が尖ったナイフが握られていた。
まるで肉食獣が獲物を狙うように、ストロベリーピンクの瞳が暗闇で怪しく光る。


「……いいや、違う」

「え……? 違うのですか? それは退屈ですわね」


シャルレーヌが前方にナイフを放り投げると、けたたましい悲鳴が響き渡った。
しかし国王の表情はまったく変わらない。
背後を振り返りすらしないのは、さすがといったところだろうか。


「お前に縁談を持ってきたぞ!」

「…………はぁ」