「わたくしが意識が失う前支えてくれた男性は誰かしら」
「皇帝陛下のようです」
「まぁ……皇帝陛下が? なら、あれが闇魔法なのね」
シャルレーヌは自分の手のひらを眺めていた。
黒く逞しい腕に抱かれながら触れた闇魔法が忘れられない。
もしもう一度触れることができたなら、はっきりとわかるはずだ。
(ふふっ、また会えるかしら。楽しみだわ)
作業が終わったとの報告を受けたシャルレーヌは部屋の中へ。
シャルレーヌは部屋をチェックしていく。
「申し訳ありません。灯りが……」
ロミが魔導具を手にしている。
どうやら魔力がなければ、灯りすらつけられないらしい。
(魔法が生活の一部なのね。ロミとルイが苦労しそうだわ)
サンドラクト王国に吸収された国々の王族も魔導具を使っていた。
しかしそれは贅沢品だとわかっていた。魔石がなければ動かないからだ。
見たことがないわけではないが、見慣れないものではある。
シャルレーヌは魔導具のランプやさまざまな魔導具を眺めながら考えていた。
(ナリニーユ帝国では魔法を使う暮らしが百パーセントだとしたら、隣国は十~十五パーセントしか使用していない……使用できないと言うべきかしら)
魔法が使えないため、魔力がこもった魔石を原動力に魔法を使っていた。
それはナリニーユ帝国のように魔法を使える国から輸入しているのだ。



