【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

「お前は一体……」

「お前ではなく、シャルレーヌですわ」

「シャルレーヌ、今回は助かった」

「ウフフ、借し一つですわよ?」

「…………わかっている」


ぽつりと呟くようなヴィクトールの言葉はシャルレーヌにしか届いていなかった。
彼女がいなくなり、パーティーは再開された。

ヴィクトールとダンスをしている時のことだ。


「なんとなくだがお前のことがわかってきた気がする」

「あら、もう惚れましたか?」

「どうだろうな」


ヴィクトールはシャルレーヌのことをわかったというが、こちらはまだまだ彼のことがよくわからない。
だが、それが心地いいのかもしれない。


「わたくしは大好きですわ」

「は…………?」


ヴィクトールの足が止まる。
シャルレーヌは彼の右肩の上らへんを見つつ微笑んだ。


「テネブルのことですわよ? ねぇ、テネブル」


テネブルは嬉しそうに触手による影を振っている。


「…………はぁ」


ヴィクトールのため息と共に足を進めていく。


「悪い女だな」

「あら、また悪女だと言いたいのですか?」

「そこまで言っていない。ただ今まで国がなくなった理由がわかっただけだ」


ヴィクトールの言葉にシャルレーヌはわざと足を踏んで答える。

(さて、次はどんなことが起こるのかしら……?)

会場の端、エマニュエルが腕を組んでこちらを睨みつける姿が一瞬だけ視界に映った。






end

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