魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

シャルレーヌはよくわからないままベッドに寝ていた。
質問に答えていくが、すぐに咳き込んでしまうため中断された。
恐らく医師たちなのだろう。ここで休むことを提案されたが首を横に振る。
呼吸のしずらさは変わらないが、今ならばなんとか動けそうなほどに回復したからだ。
自室があるのなら、そこに向かいたいと頼むと一人の侍女が現れた。


「あ、あの……お部屋に、案内いたします」

「……そう」


ビクビクと震えている侍女は、オリーブ色の腰まである髪を編み込んでいる。
眼鏡をかけていて、広範囲にあるそばかすがかわいらしい。
その侍女についていくと、明らかに部屋ではなく物置き部屋のような場所に案内された。


「こ、ここがお部屋になります……!」

「……ここは」

「──申し訳ありません! 失礼いたしました」


問いかける前に侍女は逃げるように行ってしまった。

案内された部屋の中に入ると埃っぽくじめじめとしている。
部屋の中には窓が一つだけ。
これも嫌がらせなのかもしれないが、窓がたくさんある広い部屋に通されるよりずっといい。


「あら、いい部屋ね。欲を言えば、もう少し暗い方がいいのだけれど……」

「すぐに物をどかしますので少々お待ちくださいませ」

「荷物を運んで参ります」


ロミとルイは、すぐに部屋を整えていく。
シャルレーヌは廊下で絵画を眺めながら待機していた。


「はぁ……落ち着くわ」


しっとりとした夜の空気に深呼吸する。
喉の痒みや違和感もだんだんと治ってきたようだ。