図星だったのだろうか。
アナベルは明らかに動揺しているように瞳を左右に動かしている。
(アナベル様はわたくしを治療したかった……なるほどですわね)
もし仮にヴィクトールの言う通りになっていたとしたら、まずシャルレーヌが毒で苦しむ。
隠れて参加していたアナベルが登場して、みんなの前でシャルレーヌを治療して助けた。
病弱なシャルレーヌを救った命の恩人となれば、シャルレーヌはアナベルを許さざるを得ないだろう。
むしろこの立場は一転して聖女として感謝されるはずだ。
それにシャルレーヌは病弱ということになっており、常に咳き込んでいた。
すこしの毒でも致命的だと思ったのかもしれない。
初めの朝食時に毒を恐れて食材にまったく手をつけなかったため死なない程度の毒にした。
死んで取り返しのつかないことになるのは困ると考えたのかもしれない。
けれど、シャルレーヌには弱い毒は効かなかった。
シャルレーヌが毒に慣れていることが予想外だったことだろう。
(アナベル様の魔法では人を生き返らせることはできませんものね)
つまりこの一件はアナベルの自作自演というわけだ。
協力者に名前を暴露されているあたり、随分と脇は甘いようだが。



