「陛下が選んでくださったドレス、似合っていますか?」
「……まぁまぁだな」
「ふふっ、わたくしとても嬉しいですわ。こうしてお姫様のようにパーティーに出席できるのは久しぶりですもの」
「お前は王女ではないのか?」
「サンドラクト王国でそのような優雅なイベントはありませんもの。盛り上がるのは喧嘩か、決闘という名の殺し合いくらいですわ」
「……今度の手合わせでオノレを殺さないでくれよ」
「ウフフ」
シャルレーヌは体を動かしたいからとオノレとの手合わせを提案していた。
すぐにしようと思っていたが、パーティー前で何かあれば大変だと止められていたのだ。
魔法で戦うこの国ではなかなか肉弾戦はできないからと、オノレも楽しみにしているのだという。
近々はシャルレーヌと戦うことになるだろう。
それにヴィクトールは小柄で病弱なシャルレーヌをみくびってはいない。
(油断された方が楽なのですけれど、なかなか抜け目がありませんわねぇ)
ヴィクトールの観察眼に内心、驚きつつもにっこりと優しい笑みを浮かべた。
「それは彼次第ではないでしょうか。魔法も使えるのだから、わたくしを楽しませてくれるのでしょう?」



