【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

(すごい執念ですわねぇ……ここまでしがみつくなんて。権力はここまで人を醜くみせるのですね)

そもそも長年敵対していたサンドラクト王国の人間で、魔法を使えない妃に対して、そのような気持ちを抱くのは当然ではないかと主張した。


『魔法の恩恵をそこまで受けていない帝国民から支持を得ている教会の言葉とは思えないな』

『…………っ!』

『あなたのその考えがアナベルに伝わったのではないか?』


ヴィクトールの言葉に教皇は押し黙るしかなかった。
アナベルを庇おうとした結果、墓穴を掘ってしまったようだ。
どうやら帝国でも格差はあるようで、魔法の力次第では成り上がれるが、力がなければ地位も下がるようだ。
そんな彼らが縋っているのが教会らしい。

(そう思うと力がすべてのサンドラクト王国と近いものは感じますわね。ここは魔法がすべて、ということ)

ナリニーユ帝国とサンドラクト王国は互いに魔法と力の素晴らしさを分かち合うことをしなかった。
ある意味、同族嫌悪なのかもしれない。


『彼女を正妃にするには幼稚すぎる。今後の行い次第だがこれ以上、問題を起こせば側妃の地位すら危ういだろう』